SINGLESが背負ってしまった勲章
いつも通勤の車の中では必ずミスチルをシャッフル再生している。
今朝、SINGLESが流れた。
デデッ でーでででーでででーでででーでで
ぎゃあああああああああああああああああqwせdrftgyふじこlp;@!!!!!!!!!
もう完全に条件反射。パブロフの犬。ベル鳴らされたらヨダレがだらり。
SINGLESのイントロたった2秒聴くだけで一気に興奮は最高潮まで駆け上り、
黄色い歓声とは程遠いガラガラの絶叫が勝手に喉から飛び出し、
とりあえず全身の力が抜けて膝から崩れ落ちる、
そういう体にどうやらされてしまった。
大丈夫か?今自分はアクセルを踏めているのか???膝が、膝がああぁっ!!!(危ない)
たまに、それまでなんとも思っていなかった曲が
ライブで聴くとえらい魅力的に思えてきたりすることがあるが
Mr.Children Tour 2018-19 重力と呼吸ではSINGLESが間違いなくそれになったと個人的には思っている。(突然の正式名称)
当時の私は虹・ヒカリノアトリエ・重力と呼吸と
チケボになってから4365917連敗くらいしていて
もう完全にやさぐれていた。完全なるやさぐれパンダ。
だってチケボになってから1回も当たったことがない。
毎日チケボを呪っていた。藁人形を作り、五寸釘を打ち込み、謎の呪文を唱え続け、謎の結界を張った。
そして「チケボではチケットは当たらない」という一つの真理にたどり着いていた。
いや、そこにたどり着くことで自分を納得させようとしていた。
重力と呼吸ではどうしても自分が行った公演がDVDになってほしくて、
ラストの城ホに行きたくて、しつこく城ホに申し込み続けていた。
なぜかその時は楽天的だった。
最初からしつこく申し込み続ければ絶対当たる!!城ホから逃げない!揺らがない!!いけるぜ!!いけるぜーー!!!
しかし連敗、連敗、連敗に次ぐ連敗。もう負けしかない。勝てる気がしない。
当たる気がしない。当選とは?当選ってなんだったっけ??幸せってなんだっけ???この世には落選しかなかったっけ????
チケットはご用意されないのか?そもそもチケボはご用意する気があるのか??
わたしにはチケットをご用意できないのか??何かわたしが悪いことをしたのか???
私が小学校を卒業するときに借りていた学級文庫の本を返さずそのままずっと実家に置いたままにしていることがチケボにバレているのか???????(返しなさい)
そしてめちゃくちゃ弱気になってしまったわたしは逃げの一手に出た。
もういいや・・・なんか・・・福井とか・・・
行ったことないけど・・・どれくらい時間かかるか知らんけど・・・
立ち見・・・?いやもう立ち見でいい・・・どうせ当たらんし・・・
どうせ当たらないんだからどこに申し込んだっていいや・・・
もう連絡するのもめんどくさいし・・・当たってからいえばいい・・・
いやまず当たらないからいいんだ・・・・
そしていつも一緒にライブに行っている人に何も相談することなく
サンドーム福井の立見席に黙って申し込んだ。(相談はしろ)
どうせ当たらないと思っていたのでメールチェックもしていなかった。
落ちるのに慣れ過ぎて20時ちょうどにメールチェックする気もなかった。
当落発表日の夜、寝る前0時くらいにふと
「ああそういえば今日当落か」
と思い出し何の期待も希望も夢ももたずメールを開いた。
当たっていた。
寝室で1人「えええええええええーーー!!!」と叫んだ。
夫がリビングから「何や!?!?」と飛んできた。妻に生命の危機が迫っていると勘違いしたのだろう。
スマホを持って布団に転がったまま「み、ミスチル当たった・・・・」と声を絞り出した私を上から見下すように眺め夫は何も言わず黙ってリビングへ帰って行った。いつものことだ。何の問題もない。ミスチルで大騒ぎするやつは放置される。夫が仕事から帰ってきたときにミスチルのDVDを流していたら停止することなくそのままダイレクトにチャンネルを変えられる。せめて一旦DVDを停止してからチャンネルを変えてほしい。ずっとディスクが回っていたら擦り切れそうな気がするから。これが我が家の通常運転。これで何の問題もない。それでいい。そこでやったな!!おめでとう!!!とか言って絡んで来られても困る。一人で勝手に興奮していたいのだわたしは。人生はフリースタイル。孤独でも忍耐。笑いたがる人にはキスを。
速攻で一緒に行く会社の人にLINEした。
「福井当たりました!!!!」
「は????」
1000000000000点満点の反応だ。
だってあれだけずっともう今回は城ホしか申し込みませんからっ!!!
と鼻息荒く言っていたやつが何の相談もなく勝手に福井に申し込んでいたのだから。
福井って北陸だよ。ここは関西だよ。
何も間違っていない。正しすぎる反応だ。
そしてあれよあれよと時は過ぎ当日になった。
11月11日。覚えやすい。ポッキーの日。桜井さんとポッキーゲームがしてみたい。(どさくさ)
距離も意外とそんなに遠くない。車で3時間半。運転するのは私ではない。(最低)
ツアトラで写真を撮り、グッズを買って、トイレで着替え、Tシャツの薄さに絶望し、
立見席の整理番号順に並ばされ、本人確認をし、階段を上る。
めちゃくちゃ広い空間。
え???このスペースのどこで見てもいいの????
一瞬で状況を理解した私はこのステージならどこがベストポジションなのか瞬時に脳内で計算した。
そしてステージを45゜くらいの角度で見るナカケー側のポジションを押さえた。
立見席には前にもたれて見られるように手すりがついていた。
その手すりにタオルを巻き付け散歩中の犬ばりにマーキングした。ここはわたしの場所じゃあ!!
そして会場が暗くなる。
ふぉおおおおーーー!!!と興奮最高潮になった瞬間
デデッ でーでででーでででーでででーでで
ぎゃあああああああえhがへうはjsflkgれお@gfぁgほ!!?!?!?!??!?!??!!?!??!?!
突然出てきやがった。
何の前触れもなく。突然。暗闇の中から。バッと。
なんかこうもっとチャラチャラBGM流したり
いっぱい無駄な文字が書いてあるムービーとかがあると油断してた。
想像を遥か超えてバッと突然出て来た。
ずるい、そんなのずるすぎる。脳細胞が今の状況を全く処理できていない。
即泣いた。もう驚くくらい速攻で涙が出てきた。
ダバーーーーーッと。ドバーーーーーッと。
桜井さん出てきた。ギターをギャンギャンかき鳴らしている。はいやばいもう桜井さん生きてた。地上に存在してた。この地球で息してた。どうやらこの人は地上で生きていたらしい。雲の上の存在ではなかった。地に足ついてる。今目の前そこで生きてる。どうやら今目の前で歌ってる人が桜井さんらしい。生きてた。生きてる。夢じゃない。
「君は嬉しそうに」
きゃああああああああああああああああ!!!!!!!!
会場から黄色い歓声があがった。自分の喉からも恐ろしいくらい黄色い歓声が飛び出た。
自分ってこんなに黄色い声が出るんだと驚くのはミスチルのライブかジェットコースターに乗ったときしかない。間違いない。普段はシーソーゲームのCメロくらい低い声出して生きてるというのに。
いやしかしこんな第一声で黄色い歓声あがることある??なにこれ1/42かよ。どうした。
もうめちゃくちゃにかっこよかった。声が。
なんだろう。なんなんだろう。
この前会ったのは2017年9月のサンギビ長居でしたけど
そこから1年と2ヶ月で何がありました??どうしました???
なんでこんなにかっこいいんですか????
人間として?男として?性的に?
もう細かいことはしらんけどめちゃくちゃにかっこよかった。
てかこのSINGLESのイントロの掴みの部分
今iTunesで測ったらまじで2秒しかない。
2秒でここまでガッと掴んで心揺さぶれるってどういうこと。
ジャイアント馬場に胸倉掴まれて掴みあげられて前後に揺さぶられる感じ。(いやもうちょっとよくわからん)
たまに神が舞い降りたみたいなイントロあるけど
SINGLESのそれはまさにこれ。神舞い降りてる。2秒だよ。2秒。2秒でここまで雰囲気作れるってどういうことよ。
もう涙がとまらない。かっこいい。かっこよすぎる。なにこれ。
久々だこんなダバダバ出るの。
チョロリとかホロリじゃなくてダッバダバに出てくる。
自分の心の中の貯水池が溢れてる。決壊。大洪水。完全なるキャパオーバー。
てか桜井さんがかっこいいのもあるけど何この曲。
こんなにかっこよかったのか。
化けすぎにもほどがある。完全に化けてる。
はちみつからハバネロくらい化けてんぞ。どうした。何があった。
もう一音一音全てがかっこいい。なんだこれ。
AメロBメロサビすべてが最高にかっこいい。
最近会社で離婚した同僚のような曲だって言って本当にごめんなさい。
結局1番のサビが終わるまでエグエグと涙を流してしまった。
心の貯水池の修繕にだいぶ時間を要してしまった。
なんだよこれどんだけ破壊力あったんだよ。
ああもうかっこよすぎて膝が震える。膝に力が入らない。
わたしはいつの間にかしっかりと手すりを握りしめて立っていた。
ああ、福井の立ち見じゃないとこの曲は受け止められなかったな。
全ての出来事は偶然でなく必然だ。
きっとわたしが福井で立ち見で1曲目のSINGLEを聴いたのは必然だったんだろう。
お前は手すりがないとこの曲で膝から崩れ落ちるぞと知っていたから
神様はわたしを城ホに行かせてくれなかったんですね。ありがとうございます。
それくらい、1曲目のSINGLESは偉大だった。
そして重力と呼吸ツアーの1曲目としての役割をこれでもかと全うしたという
決して色褪せることのない勲章を背負うことになったと思う。
けけで